人気ブログランキング | 話題のタグを見る

34.退院後1ヶ月

2009年9月19日


息子が退院して、1ヶ月が経過しました。
再脱臼は、していません。
退院した直後は、再脱臼の恐怖でいっぱいでしたが、
今は少し、心に余裕があります。


この1ヶ月間の出来事を簡単に書いておきます。

・学校に復帰
→夏休み中の退院でしたので、夏休み明けから、
 もとの小学校に登校しています。
 友達もたいへん喜んでくれたそうです。

・外来受診
→9月9日に、入院していた病院で外来診察を受けました。
 X線を撮りましたが、X線写真では、
 リモデリングの具合までは分からないそうです。
 「この1ヶ月間、再脱臼していない」という事実をもとに先生は、
 「もう、ここまでくれば大丈夫だ」と言ったそうです。
 見た目痛々しいオルソーカラーの装着はこれにて終了。
 このときより、シンプルなソフトカラー装着となりました。

・学校で頭を叩かれる
→信じられないような馬鹿もいるものです。
 でもあまり気に留めずにいたら、次の事件が・・・。

・学校でものをとられる
→筆箱につけていた自作のアクセサリーを強奪されたとのこと。
 悪質なのは「親や先生に言いつけたら、タダじゃおかない」と
 脅迫されたこと。
 許しがたいことですが、
 「今は正義より、息子の首を守ることのほうが大事」なので、
 何もせず、そのままにしています。

・膝を捻挫
→学校の階段で捻挫したそうです。
 べつに、クラスメイトに押されたとか、転んだ、とかじゃなく、
 重いものを持って階段を降りていたら、膝がグニャっとなったそうで。
 ウチの息子、関節弱すぎ?
 小さい頃から肘は何度も抜けてますし、首が外れて、こんどは膝。
 関節の難病、とかじゃなきゃいいけど・・・。


息子が通っているのは、地元の公立小学校。
健康な状態ならともかく、今の息子の状態でここに通わせるのは、
リスクが高いかもしれません。
だからといって、特別支援学級に戻るのは、心配しすぎ?
それとも、何かあってからでは遅い?
どうすべきか、迷います。
# by kanjiku | 2009-09-29 18:59 | 退院後1ヶ月~

33.退院

2009年8月14日、息子は退院しました。
兎にも角にも、まずは退院できたことを喜びたいと思います。


退院の朝も、いつもと同じように神社に行き、
退院の日を迎えることができた、
ここまでたどり着くことができたことに、
深く感謝とお礼を申し上げました。
さすがに、涙あふれました。

病院では、多忙な先生方にお会いして直接お礼申し上げることは
叶わなかったのですが、
看護師さんたちにお礼とお別れのご挨拶をして、
早々に、病院を出ました。
そしてその足で、病気平癒祈願をしたお寺にもお礼参り。
さらにお盆ということもあって、
そのまま実家に行ってお墓参り。
仏様、ご先祖様にも退院の報告とお礼を申し上げました。

***

息子は退院がうれしくて、ずっとはしゃいでいて、
外ではことあるごとに、すぐ走り出します。
そのたびに、「走るな!」と息子を制止しました。

息子の首は、治ったわけではないのです。
病院にいても、とくに何か治療行為があるわけでなく、
骨が強く丈夫になるのを、おとなしくじっと待つだけ。
だったら、大人しくしているぶんには家に戻っても良いでしょう、
ということで退院が許可されただけで、
首が完治した、という訳ではないのです。
息子の首は、依然オルソーカラーで固定されたままです。

インターネットで「環軸椎回旋位固定」と検索すると、
環軸椎回旋位固定の症例や、経験された方の日記やブログを
見ることができます。
それによると、「退院したものの、再脱臼した」という例は
決して少なくありません。
我が子も骨の状態について、「ほとんど改善が見られない。」
と言われていますので、再脱臼のおそれはかなりあります。
もし再脱臼したら、次は頚椎に孔を開けて
ワイヤーで縛る手術をすることになってしまいます。
それだけはぜったいに、ぜったいに避けたい。
再脱臼させないように、細心の注意を払わなければいけません。

***

それでも、退院できてうれしい。
家族4人揃って囲む食卓の楽しさ。
家族4人揃って同じ部屋で寝る幸せ。
もう、毎日病院に行かなくていいんだ。

幸せが、戻ってきたことを実感しています。
なんてことはない、ありきたりの幸せかもしれませんが、
それが何よりも尊くて、かげがえのないものなのだと
感慨が、心に染み込んで広がっていきます。
# by kanjiku | 2009-08-30 07:03 | 徒手整復手術~退院まで

32.賭け

2009年7月22日


病院で息子に付き添っている妻より、
職場で仕事をしていた私にメールが入りました。
「ハローリングとった」って!

えっ? どうして?
先々週の7月8日のCT撮影で
「先月とほとんど変化がない」とか、
「ここまで難治性なのは前例がない」とか言われてたのに。
どうしてとっちゃうの?
とって大丈夫なの?
とってこの先、どうするつもりなの?
・・・???



これらの疑問を直接先生に質問して、説明を受けて、
方針に納得のうえで施術に入って欲しかった。
そうは言っても、僕がメールを読んだ時点で、
すでにハローリングは外されていたわけで、
もう今さら何を言っても仕方ありません。

毎日朝から晩まで病院で息子に付き添っている妻は、
もはや疲労が限界に達して思考力がなくなっていて、
医師に言われるがまま、施術に同意してしまった様子。

妻が医師から受けた説明は、要約するとこういうことだったらしい。
・(どうしてかは良くわからないけど)ハローリングは、
 もう外さなきゃいけない。
・「骨のリモデリングは見受けられる」というのが
 教授および准教授の見立て。
・ハローリングを外して、頚椎カラーで固定して様子を見ましょう。
・再脱臼する可能性は、ある。そうなった場合は手術。
 息子の頚椎は細くてボルトを通すのが難しいので、
 ワイヤーを通して縛ることになる。



ハローリングは一度外してしまうと、再装着はできません。
頚椎カラーの固定で今後の経過を見て、再脱臼しなければオッケー。
再脱臼しちゃったら、頚椎をワイヤーで縛る手術。
つまりは成り行き次第ってこと。
そんな一か八かの賭けじゃなくて、フェールセーフって言うか、
もうちょっと安全な選択肢は無かったのか、と思います。
頚椎に孔を開けて、ワイヤーで縛るなんて、
考えただけでもイヤだよ。


退社後、すぐに病院に行き、息子に会いました。
息子は装具が外れてスッキリ、気分晴れ晴れしているかと言うと、
そうでもありません。
頭に刺さっていた6本のボルトを抜く手術は、
麻酔無しで相当に痛かったようで、わんわん泣いたそうです。
息子はまたもや、心が深く傷ついた様子。
元気は、ありませんでした。
# by kanjiku | 2009-07-23 18:04 | 徒手整復手術~退院まで

31.泣く

2009年7月8日、術後2ヶ月経過のCT撮影を実施。
結果が良ければ、待望の退院です。
誰だか知りませんが、「7月になったら退院できる」と言った
医療スタッフがいたそうで、
息子は「もうすぐ家に帰れる」と、退院の日を心待ちにして、
ここ数日はソワソワしっぱなしです。


翌9日、病院で息子に付き添っている妻から、メールが入りました。

----------------------------------------------------
subject:CTの結果

よくなかった。
リモデリングはほとんどできてなかった。
削れてるとこは先月とほとんど変化がない。
今は教授・准教授がいないので、最終判断は
週明けに持ち越しに。
「ここまで難治性なのは前例がない」って言われて、
ちょっと凹んだよ。
----------------------------------------------------

携帯を持つ手が震えました。
いろいろな思いが頭の中を駆け巡り、
パニックになりそうなのを
やっとの思いで鎮めました。


徒手整復手術を受けて、首をハローリングとベストで
固定したのが5月の7日。
あれから2ヶ月、首の骨が正常な形に形成されるのを
ひたすら祈念し、
「きっと治る! ぜったい治る! 
 ”次の手術”なんて、ぜったいにあり得ない!」
と、信じてきました。

しかし、現実は、ほとんど治っていないわけで。。。
頚椎に孔を開けて、ボルトで結合する手術、
「ぜったいにイヤだ、それだけはぜったいに避けたい、」
とこれまで思ってきましたが、
受け容れなければならないのかもしれません。


おととい、七夕の短冊に下の子(6歳)が下手な字で
「○○○(←兄の名)はやくなおりますように」
って書いて、玄関の外に飾ったこと、
朝7時から夜10時まで毎日、息子に付き添っている妻のこと、
自分は毎朝5時に起きて1日も欠かさず神社に通ってること、
身体が決して健康ではない祖父母の、無理を推しての多大な協力支援、
息子のクラスメイトが、わずか1週間で千羽鶴をつくってくれたこと、
そんなみんなの”思い”が、踏みにじられたように感じて、
悔しくて、泣かずにはいられません。。。
# by kanjiku | 2009-07-10 21:34 | 徒手整復手術~退院まで

30.リモデリング

5月7日に手術を行ってから、3週間近くが経過しました。
息子は上半身に装具がついているものの、
元気と明るさを取り戻しています。
特別支援学級にも毎日登校しています。

*****

装具(ハローリングとハローベスト)は手術後2ヶ月間、
装着すると言われています。
この2ヶ月の間、何か治療行為があるわけではありません。
装具を装着したまま、2ヶ月間待つだけです。

何を待つのかと言うと、骨のリモデリング(=再形成)を待ちます。
頚椎が二度と外れることの無いように、
頚椎の形が健康な人と同じようになるのを待つのです。

健康な人の第1頚椎と第2頚椎の間の隙間は、
平行に開いているものだそうですが、先生の話によると、
我が子の第2頚椎は斜めに角が取れているような形をしていて、
ちょうどすべり台に乗っているが如く、
第1頚椎が滑り落ちて外れてしまうのだそうです。
頚椎が外れないようになるためには、
角が取れているような形をしている我が子の第2頚椎の形が、
健康な人と同じような形になるのを待つのだそうです。

*****

「そんなにうまくいくものだろうか?」と思ってしまいます。
我が子の頚椎の形が悪いのは、
事故とか外傷で失われたわけでなくて、生まれつきのものです。
2ヶ月待ったところで、正常な形に形成されるかどうか、分かりません。
2ヶ月経ってみても、今までとなんら変わらない、かもしれないのです。


だけど、うまくいくと信じるしかありません。
これでうまくいかなかったら、
次は頚椎に孔を開けて、ボルトで固定する手術しか
方法は残ってないのです。

頚椎に孔を開ける、というのは、たいへんデリケートで危険な手術。
首を切開することにより、脊髄が細菌に汚染されるリスクがあります。
また万一、脊髄に何かしらの損傷を与えるようなことがあれば、
息子は一生、後遺障害に悩まされることになるかもしれません。

手術が成功したとしても、第1頚椎と第2頚椎をボルトで固定しますので、
首は健康な人の半分しか回らなくなります。

*****

先日、息子の小学校の運動会がありました。
下の子(次男)が1年生で出るので、見に行きましたが、
よその子供達が元気に走り回っている姿が、うらやましかったです。

何で我が子(長男)ばかり、
こんなにも辛い苦悩を背負い込まなければいけないのか。

絶対に、絶対に、次の手術は避けなければなりません。
どうか、骨のリモデリングが順調にいきますように・・・。


どうすることもできない気持ちを封じ込めたまま、
息子の頚椎の形が良くなることを祈念する毎日です。
# by kanjiku | 2009-05-26 05:27 | 徒手整復手術~退院まで